山口組の平成史という本を読んだ。
私は全然ヤクザの世界を知らない。この本を読んで少しだけ知った。
事実を言う。
現山口組組長、司忍は、バリバリの武闘派弘道会出身である。
侵略と暴力で権力を得たのだ。
山口組組長の選出(代替わり)はいつもドロドロだったが、司忍は過去に例を見ない、満場一致で組長になった。言わば超実力派である。
そんな司忍が望んだのは、意外にも「平和」だった。
敵対勢力と次々と交友関係を築いていったのである。
ところで、検察はどうか。
過去の書評でも記したのだが、ここでも検察は暴力をふるったのだ。
司忍含め、当時の山口組組長後継者候補になる、お偉いさん幹部を次々に逮捕した。
それが、あまりにムリヤリな理由だったので、一審では無罪もかなり出た。
だが検察は許さない。何度も再審にするのだ。事実上の有罪強要ということだ。
検察に目をつけられて有罪にならないことは、数字上ありえない。例えば査察調査なんて、100%有罪だ。
2014年では、ヤクザ全体の年商が8兆円ともいわれており、それは全世界のマフィア組織含めぶっちぎりの1位、2位に10倍の差をつけているのだそうな。
私の勤めている業界全体の年商よりも高い。
ヤクザは現在では本当に斜陽産業である。だがそれでもいまだ巨大産業なのである。
日本が世界的に見てもすごーーく治安が良いこと。
日本のヤクザは世界のマフィアと比べて違う点、それは存在自体は認められていること。事務所に代紋を掲げているだけでは犯罪にならないという点。
この2つはおそらく相関関係があるだろう。
司忍が言っている。
俺たちはいつでも地下にもぐれる。でもそうはしたくない。
世の中のはぐれモノを受け入れることは、ヤクザの仕事の一部である。と。
確かにヤクザが覚せい剤の売買で利益を得ていたら、それはムカつくかもしれない。ただし、その苛立ちと同じように、ヤクザがいることによる治安維持にも感謝しなければいけない。
一方だけを見て判断するのはただのバカである。
日本の治安はヤクザが支えているかもしれないのだから。
をれをもっとも表したのが、司忍の友好戦略なのだ。
どうせバカどもは知らないから教えてやるよ(私も全く知りませんでした)
ではまた。